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アガサ・クリスティ『春にして君を離れ』 ~母親に違和感があるあなた、そして、いま母親であるあなたに読んで欲しい物語~

ここ数日、思いがけなくブログに反響をいただいたので、自己肯定感やら毒親について、考え直していました。

そんな中、id:possesion_cdp さんが素敵な企画をやっておられました。

「#許しがテーマの作品」募集します - お前のことが好きやったんや

書いていて、ある一冊の本を思い出したので、この場でもオススメします。

 ミステリの女王、アガサ・クリスティの小説(ミステリではない)です。

春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
 

 私は個人的には、アガサ・クリスティの最高傑作ではないかと思います。

発表当初は別名義で、クリスティの名前を隠しての出版でした。その他にも恋愛ものをけっこう書いており、親子間のディスコミュニケーションや、行き違いの場面が出てくる著作が多数あります。

 

この作品は、家族から「許されない」人間、をテーマにしています。

なので、ある意味「許しがテーマの作品」でしょう。

 あらすじはこちら

優しい夫、よき子供に恵まれ、女は理想の家庭を築き上げたことに満ち足りていた。が、娘の病気見舞いを終えてバグダッドからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係、夫婦の愛情に疑問を抱きはじめる…女の愛の迷いを冷たく見据え、繊細かつ流麗に描いたロマンチック・サスペンス。

わたしは大学生の頃にこれを読みまして、ああ、母は…と思い、こういうことだったのか、と何度も泣きました。その後、数々の引越しにも耐え、今も書棚に大切においています。

色々と書きたいことがあるのですが、クリスティの著作にネタバレがあってはいけないので、私の感想と解説はこのへんで。
(以下、若干のネタバレを含みますので、ご注意ください)

 

この本を読んでもピンと来ない方もたくさんいるかと思います。それはたぶん、「機能不全家庭」なるものへの遭遇がなかった方ではないかと思います。

なんとなく母親に違和感がある子供だったあなたにも、そして、いま母親である(これからなる)方にも、オススメできる一冊だと思います。

ただし、読後感はあまりよくありません。心に余裕がなさすぎるときは読まないようにしてください。

もちろん、流麗で情緒的な文章、紀行文としても見所がありますので、その点でも楽しめるかと思います。

 

この小説について、大変面白い発言小町のトピックがありますので、リンクしておきます。

ネタバレを恐れない方は、ぜひご一読を。

仮にネタバレしていても、十分楽しめる小説であることは保障します。

 

『春にして君を離れ』を読んだ方に…(※ネタバレ注意) : 趣味・教育・教養 : 発言小町 : 大手小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

トピ主の質問文を引用します(話のキモではありませんが、設定はわかります。ネタバレ注意)

 

読まれた方はご存じのとおり、この本は母であり妻である女性の過去が中心の話であり、自分も妻であり母の立場となった今、深く考えさせられる内容です。

 

 しかし、彼女のしてきたことですが、「断片的には、当たり前と感じる人も多いのでは?」とふと思いまして。

 小町のトピで例えれば

 ○第2子妊娠中の今、夫が転職(収入激減)をしたいと…

 ○末の娘が悪い友人ばかり選びます…

 ○長女が専業主婦の私を批判

 ○私のせいで夫が鬱に?

 ○息子が海外就職したいと…

 というような話でして、「お気持ち分かります」と、トピ主派がつきそうな話です(自分も肯定派に回るかも?)。

 まあ、そこが、ふと親がやってしまいがちな過ちを描いたアガサ・クリスティの優れた点とも思えるのですが。

 

 そこで、お尋ねしたいのは、

 「読まれた方、主人公の具体的な失敗はどの部分だと考えますか?」「その時どうすべきだったと思いますか?」です。

 

 

「春にして君を離れ」どなたか解説を!(ネタバレあり) : 生活・身近な話題 : 発言小町 : 大手小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

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